益田ミリ『週末、森で』を読みました

 益田ミリを読み始めたのは『すーちゃん』からです。いつもセリフと、セリフの間がとても印象的で、毎回「値段が高いよなあ……」と思いつつ買ってしまいます。『すーちゃん』というのはOL進化論の「35歳で独身で」をナイーヴにしたような4コマ漫画で、気ままに日々を生きる独身女性たちの抱える不安みたいなものがテーマだと思います。続刊は『結婚しなくていいですか。』というタイトルにしたことでバカ売れしたようです。
 『週末、森で』も1200円しました。今回も3人の独身女性が主役として登場して、都会在住のA・Bが地方に移住したCの家を訪れて繰り広げる会話をメインに話が展開するのですが、どうも読後感が異なります。今作は「仕事でささくれたA・Bの心を、Cのうんちくが救う!」みたいなエピソードがほとんどを占めており、アーリーリタイアメントこそが女性の幸せ! とでも言うかのような単行本になっている気がしました。終盤で、都会でがんばり続ける姿をファンサーヴィス的にチラリと見せるすーちゃんが、Cと顔を会わせなくて本当に良かったなと思いました。

週末、森で

週末、森で

すーちゃん

すーちゃん