川端裕人「夏のロケット」

夏のロケット (文春文庫) ロケット開発はもともと政府事業というより個人のわざであったのだ、という科学史のもと、低コスト宇宙ロケットを打ち上げようとするロケット狂のお話。本編はまあ普通におもしろい青春回帰ものなんだけど(ただ、個人レベルの開発つっても主人公たちはみんな超人なんだよね。とくに、低コストとは言っても億単位で必要な資金をどうするのかという問題で、仲間の一人が大ヒットミュージシャンになっていてお金持ち! 無問題! しかも名前は氷川京介! というアレにはさすがに鼻白んだ)、ロケット史の部分はとても興味深く読めた。自らの裁判の場で弁護ではなくロケットの論文を世に出そうとしたキバリチッチのエピソードは格好よすぎる。*1

*1:どうでもいいけどこれワンピースのトムさんの元ネタなんじゃないのかな