古林海月「米吐き娘」(1)

米吐き娘 1 (イブニングKC) 日に数回生米が口からこみ上げてきてしまう体質のせいで仕事をすぐクビになってしまう山田みのりさん、たまたま県庁のごはん係にアルバイトの口を見つけ、これ天職とばかりに奮闘するが、米吐き娘はいろんな妖怪をひきよせてしまうし、米を愛するみのりさんはどこかずれていて――。
まず米を吐き出す女の子。を主人公に据えようとするところからしておかしいが(頭が)、その漫画につけたタイトルが「米吐き娘」なんていうキャッチーすぎるアレであるのがまたグレイト。画風やネームはまだいまいちこなれていないけれども、不思議な新しい萌え感覚を提供してくれる怪作であります。そう、改めて読むと分かるのだけど、この意図的なのかなんなのか微妙な萌えも作者はしっかり狙ってやってんのね。こんなにかわいらしくゲロ(米吐きだけど)を描いた漫画は今までに無いんじゃないかしら。しかも吐いた米を食べてもらって喜ぶみのりさん! がキモかわいい! すげえぜ古林怪月! 一方で、それでこの作品を単なる嘔吐フェチ向け萌え漫画と切り捨てられるかというと、それにはなぜかクセになるお役所ゆるゆるコメディはもったいなさすぎる。ちゃんとお話描ける作者さんだと思うし、これからももっと読んでいきたい人です。
ただ、作者スタッフのサイトによると単行本が売れないことには連載が続けられない、というかなり切ない事態になっているようなので、みなさん買ってみてはいかがでしょうか。いや、むしろ買ってください! というお願い。*1
あっと、ちなみに、僕にゲロ萌え属性は無いです! 念のため!

*1:気に入らなくても怒らないでね!